日本でもバイオセーフティレベル4の病原微生物及びウイルスを管理する研究所が誕生している(国立感染症研究所村山庁舎)
バイオセーフティレベル4(最高度封じ込め)実験施設は維持管理に相当な費用がかかる。オーストラリア, カナダ, フランス, ドイツ, ロシア,南アフリカ,英国および米国とおそらく中国にあったわけで、先進国で日本は遅れての登場になる。
そのガイドラインは「Biosafety in Microbiological and Biomedical Laboratories, third
edition,Mayl993.USDepartment of Health and Human Services, Publication number (CDC)
93-8395」である。
バイオセーフティレベル4の病原体の特徴は下記のようになる。
生命をおびやかす高度の危険性のある病気の原因となる危険な,または外来性の病原体,エアロゾルによる実験室感染;または未知の伝播の危険性のある類似の病原体
エアロゾル(飛沫)感染は管理が困難なだけにやはり危ないわけだ。
ちなみに国立感染症研究所村山庁舎の 施設状況についてを覗いてみると、多重防御の実験環境が浮かび上がる。プルトニウムの管理場所に類似の構造だ。さぞかし、実験者も命がけで緊張していることだろう。
レベル4の恐るべき面々はこんな奴らだ。
Absettarov、BlackCreekCanal 、Congo-Crimeanhemorrhagic fever、Ebola、Guanarito、
Hanzalova、Hypr、Junin、Kumlinge、KyasanurForest disease、Lassa、Machupo、
Marburg、Omsk hemorrhagic fever、Rift Valley Fever、Russian Spring-Summer encephalitis、Sabia、Sin Nombre、Tick-bome encephalitis
ほとんど知らない顔ぶれだろう。有名な病原体は太字くらいか。未知の名前のヤツをいくつか調べてみた。
例えば、Junin virusはフニンウイルスという。
南アメリカ出血熱ウイルスの1つ。ブエノスアイレス, コルドバ,サンタフェ郡で, トウモロコシを刈り入れる人に発生しているアルゼンチン出血熱の原因。致死率はおよそ3~15%である
Omsk hemorrhagic fever virus(OMSKV)はオムスク出血熱ウイルス。致死率1~2%・病気は|日ソ連中央部に見られる。
とある。両者とも急激な発熱で、未開の地で発生するわけだ。
かと思うと、米国でのウイルスもある。
Sin Nombre virus シンノンブレウイルス ,最初1993年6~8月に米国のフォーコーナーズ地域でみいだされた。致死率は50%の急性の呼吸困難症候群を引き起こす。治療法はない。
うーん、生態学的に世の中、まだまだ未知の部分があり、捨てたもんじゃない。
ウイルスは自然界が有する人類への対症療法なのかもしれない。
【参考文献】